東京都下水道事業 経営レポート 2024
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時間75ミリ降雨に対応する下水道施設整備を推進し、内水はん濫による被浸水実績に加え、流出解析シミュレーションの活用などにより、67地区を施設整備には長時間を要するため、一部完成した施設の暫定供用や河川管理者との連携など、様々な工夫により完成した施設の効果を速やかに発揮していきます。計画規模を超える降雨に対しても、ハード・ソフトの両面から対策を検討、•下水道管の設計は、最も強いピーク時の降雨による流量を安全に流せるように余裕を持たせて管の大きさや勾配などを計算しています。•流出解析シミュレーションでは、想定した降雨に対して、下水道管内の雨水の流れや下水道管に入りきらずに地表に溢れた雨水が地形に沿って流れる状況等を再現することができます。降雨情報システム浸水予想区域図の詳細は19ページ•浸水実績と合わせて、流出解析シミュレーション結果を活用することで、地域の浸水危険度をより正確に把握することが可能となります。※近年、気候変動に伴い、全国の豪雨災害は増加しており、東京においても50ミリを超える降雨が増加傾向にあります。さらに今後、世界平均気温が上昇し、降雨量の増加、台風の強大化等が想定されています。気候変動による影響を踏まえ、都は令和5年12月に東京都豪雨対策基本方針を改定しました。基本方針では、時間75ミリ降雨に対応する下水道施設整備を推進し、内水はん濫による被害を防止することとしています。下水道局は、基本方針に基づき、浸水対策を推進し、気候変動により激甚化・頻発化する豪雨に対して安全・安心なまちを目指します。幹線やポンプ所などの基幹施設を整備するとともに、雨水貯留施設等の整備や再構築に伴う枝線の増径などを実施しています。「東京アメッシュ」の詳細は18ページ区部浸水対策のイメージ取組方針-15 -害を防止します。重点地区として選定し、事業を推進していきます。推進し、安全・安心を確保します。※無注水形先行待機ポンプ:急激な豪雨に対して即座に排水できるよう、雨水の流入前からあらかじめ運転(先行待機運転)でき、冷却水の注水が不要(無注水)で断水時にも運転可能なポンプ【下水道管の設計の考え方】流出解析シミュレーションの活用•さらに、下水道管の余裕部や人孔内の空間に雨水が流入して貯留のような効果を発揮することや、下水道管の上流側と下流側の水位の差を表現することで、下水道管の能力を最大限評価することができます。【流出解析シミュレーション】雨水浸透施設(公共雨水浸透ます)浸水対策

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