下水道施設の整備効果についてこれまでの下水道の整備効果令和4(2022)年度末時点で、区部では、雨水貯留施設58 か所(合計容量:約60 万m3)、雨水ポンプ施設70 か所(合計排水能力:毎分約14 万m3)を整備しています。令和元年東日本台風時には、雨水貯留施設の貯留率が全貯留量の約6 割に達し、8か所の貯留施設がほぼ満水となり、浸水被害の軽減に大きな効果を発揮しました。中野区・杉並区に整備した和田弥生幹線(貯留管)の流域では、同幹線が整備される前には大規模な浸水被害が頻発していましたが、一部貯留を開始した平成9(1997)年以降は激減しています。さらに、平成19(2007 )年の本貯留開始後は大きな浸水被害は発生しておらず、浸水被害の軽減に大きな効果を発揮しています。-20-流出解析シミュレーションによる下水道の整備効果の検証「中野区東中野、杉並区阿佐谷地区」は、1時間50ミリの降雨に対応するため、下水道幹線を整備しています。下記は、整備完了の前後で1時間75ミリ降雨があった場合の流出解析シミュレーションを示しています。対策前には、一定の浸水被害が発生しますが、対策後は、1時間75ミリ降雨に対しても浸水エリアが減少しており、50ミリ対策を講じることで、75ミリの降雨に対しても浸水を軽減する効果があることがわかります。この結果から、今まで進めてきた50ミリ対策により、1時間75ミリ降雨に対しても相当の浸水防除能力を備えていることがわかります。幹線の整備により1時間75ミリ降雨に対しても浸水面積が大幅に減少対策前対策後第二桃園川幹線直径:2.6m延長:約4km浸水深さ10~20cm(道路冠水程度)20~50cm(床下浸水程度)50~100cm(床上浸水程度)※は満杯になった雨水貯留施設第二十二社幹線(H3年貯留開始)貯留量:13,700m³和田弥生幹線(H19本貯留開始)貯留量:150,000m³谷沢川雨水幹線(H7貯留開始)貯留量:30,700m³凡例雨水貯留施設雨水ポンプ施設谷端川1号幹線(H13貯留開始)貯留量:32,000m³(H27貯留開始)貯留量:2,100m³(H22貯留開始)貯留量:7,000m³大井水神公園雨水調整池(H15貯留開始)貯留量:400m³和田弥生幹線(貯留管:直径8.5m、延長2.2km)堀船1号幹線東京駅八重洲口(H22貯留開始)貯留量:3,000m³鮫洲幹線
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