東京都下水道事業経営レポート2023
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区部では、「下水道浸水対策計画2022」(2022年3月策定)に基づき、目標整備水準の1時間75ミリ降雨に対応するため、下水道施設の整備を推進します。浸水実績に加え、流出解析シミュレーションの活用などにより、67地区を重点地施設整備には長時間を要するため、一部完成した施設の暫定供用や河川管理者と計画規模を超える降雨に対しても、ハード・ソフトの両面から対策を検討、推進•下水道管の設計は、最も強いピーク時の降雨による流量を安全に流せるように余裕を持たせて管の大きさや勾配などを計算しています。•流出解析シミュレーションでは、想定した降雨に対して、下水道管内の雨水の流れや下水道管に入りきらずに地表に溢れた雨水が地形に沿って流れる状況等を再現することができます。降雨情報システム浸水予想区域図の詳細は19ページ•浸水実績と合わせて、流出解析シミュレーション結果を活用することで、地域の浸水危険度をより正確に把握することが可能となります。都市化の進展により雨水が地中にしみ込みにくくなるなど、下水道に流れ込む雨水量が増加しており、場所によって浸水被害が発生しています。これまで、1時間50ミリ降雨への対応を基本に、早期に浸水被害を軽減するため、浸水の危険性が高い地区を重点化し、対策を推進してきました。一方、近年では、集中豪雨の頻発化や台風の大型化などにより、全国各地で浸水被害が多発している状況にあり、気候変動の影響により降雨量が増加していくことも予想されます。そのため、目標整備水準のレベルアップや新たな重点地区の選定など、更に浸水対策を強化することで、都市機能を確保し、安全・安心な暮らしを実現します。幹線やポンプ所などの基幹施設を整備するとともに、雨水貯留施設等の整備や再構築に伴う枝線の増径も実施しています。※3「東京アメッシュ」の詳細は18ページ区部浸水対策のイメージ※1※2取組方針-15 -区として選定し、事業を推進していきます。の連携など、様々な工夫により完成した施設の効果を速やかに発揮していきます。し、安全・安心を確保します。※1バイパス管:既設の下水道管の流下能力を補うことを目的に、下水を別系統で流すために、新たに整備する下水道管※2増補管:既設活用管きょ及び更生管きょの有効活用を図るために、流下能力不足を補完する目的で既設管きょと同一の占用位置、あるいは既設管きょと並列に布設する管きょ※3無注水形先行待機ポンプ:急激な豪雨に対して即座に排水できるよう、雨水の流入前からあらかじめ運転(先行待機運転)でき、冷却水の注水が不要(無注水)で断水時にも運転可能なポンプ下水道管の設計の考え方流出解析シミュレーションの活用•さらに、下水道管の余裕部や人孔内の空間に雨水が流入して貯留のような効果を発揮することや、下水道管の上流側と下流側の水位の差を表現することで、下水道管の能力を最大限評価することができます。流出解析シミュレーション雨水浸透施設(公共雨水浸透ます)浸水対策

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