東京都下水道事業 経営レポート2022
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【大型蓄電池(NaS電池)の活用】電力需要の低い夜間にNaS電池に充電し、この電力を昼間に利用することで、ピーク時電力を抑制し、電力不足などへ対応します。○現状と課題○下水道局における(H 減らす・T 創る・T 蓄める)の取組気候危機への対応など、脱炭素化に向けた行動は待ったなしの状況下において、ロシア・ウクライナ情勢などにより、世界中でエネルギー価格が高騰するなど、様々な危機へと発展しています。また、2022年3月に発生した福島県沖地震は、一部の火力発電所が稼働停止に追い込まれるなど、首都圏の電力供給に大きな影響を与えました。今後、老朽化した火力発電所の廃止なども見込まれ、電力供給力は減少傾向となる見通しです。3月22日には東京電力管内の需給ひっ迫警報が発出され、今後も電力需給のひっ迫が予想されるなど、電力の危機的な状況に直面しています。東京都では、ロシア・ウクライナ情勢を契機としたエネルギー危機等の社会構造変化への対応やその先の脱炭素化に向け、全庁一丸となってその取組を加速化するため、5月24日に「エネルギー等対策本部」を設置しました。下水道事業の運営には、多大な電力が必要ですが、電力ひっ迫時にも下水道機能を確保するため、電力の「HTT」(H減らす・T 創る・T 蓄める)に取り組んでいます。【太陽光発電】反応槽の臭気・転落防止用の覆蓋上部などに太陽電池モジュールを設置しています。太陽光発電は地球温暖化の原因となる二酸化炭素等の温室効果ガスを排出しないクリーンなエネルギーです。-42-【自己電源(常用発電設備)の出力増加】灯油、都市ガス両方で運転可能な常用発電設備の出力を増加させることで電力を確保します。T蓄めるH減らすT創るT創るT創る使用電力通常時ピークシフト時増加0ガスエンジン発電機都市ガス運転抑制電力ひっ迫15【更なる対応力の強化】(エネルギー自立型焼却炉)焼却炉の廃熱の有効活用により、焼却炉で使用する電力を発電します。脱炭素にも貢献大型蓄電池放電1824時間大型蓄電池充電電力需要の少ない時間帯常用発電設備の出力増加にシフトピークシフト焼却炉の電力を廃熱発電により自給NaS電池太陽光発電コラム④HTT < H減らす・T 創る・T 蓄める>

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