各水再生センターの抱える課題に合わせて、高度処理及び汚泥処理返流水※中のりん除去施設を導入し、効果的に処理水質の向上を図ります。※汚泥処理返流水:汚泥を処理する工程で排出される廃液施設や設備の再構築にあわせた整備など、効率的に対策を推進します。デジタル技術を活用し、水質改善とともに省エネルギー化を進めます。用地の制約や電力使用量の増加など、高度処理の整備に伴う課題を解決※プランクトンの異常増殖により、海水が赤褐色になる現象。窒素・りんの流入による栄養過剰(富栄養化)、水の停滞、日射量の増大、水温上昇等の複合的作用により発生すると考えられています。東京湾の赤潮※の発生日数の削減に向け、発生要因の一つである下水処理水の窒素・りんの一層の削減が必要です。これまでに、電力使用量を増やさずに一定の水質改善を早期に実施可能な準高度処理の整備を推進し、水質改善をスピードアップしました。近年は、流入水の特性などによる各水再生センターごとの課題に合わせた対策が必要になっています。良好な水環境を創出するため、省エネルギーにも配慮しつつ、東京湾や隅田川、多摩川などに放流される下水処理水の水質をより一層改善します。窒素、りん濃度上昇等により赤潮が発生すると、プランクトンの死骸等の分解に大量の酸素が消費され、生物の生息に悪影響が生じます。これまでの下水処理法(標準活性汚泥法)では除去が難しい、窒素・りんの一層の削減に取り組むため、高度処理などの導入を進めています。赤潮発生による海洋生物への影響例区部・多摩取組方針-31-するために、技術開発を推進します。高度処理の整備等に伴い、窒素、りんの除去率はそれぞれ60%と70%程度まで向上しています。処理法の一例下水に含まれる窒素・りんの除去率の変化(1996)(2000)(2004)(2008)(2012)(2016)(2019)処理水質の向上
元のページ ../index.html#32